くくのちのモリプロジェクト:モリPJ 活動レポート

多摩美のモリ「点睛の植樹祭」レポート

posted on 2014/11/02

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2014年10月18日、「点睛の植樹祭」にはもってこいの秋晴れでした。空気もさわやかなこの日、3年前に始まった多摩美のモリ実験植樹は最終回を迎えました。とうとう未来のモリのたまごが完成するのです。

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当日朝一番の作業は、前の週から引き続いたマウンド作りでした。植樹の中でも殊に大変なのがこの力仕事です。グランド脇の植樹地は、立つにも足腰に力がこもる急斜面なのでなおさら気合が入ります。苗木がすくすく育ち根をしっかり張れるように、石や雑草、障害になる根を除き、地面をよく掘り返し柔らかく耕します。遠い昔、人間が耕作を始めた時の気持ちを想像してしまう、汗だく忘我の労働時間です。

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傍らでは、これも先日括り分けた縄を運び込み竹杭を打ちます。植樹ベテランのKさんと助っ人さんたちが今日も先達です。

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過去5回の植樹地に、目印となる看板を立てます。3年前から植樹した苗木が成長していく様子を、順番に時間系列で見ることができます。土を耕して木を植えるという人の手の痕跡を組み込んで、土地の自然は滞りなく再編成を続け、苗木はどんどん成長しています。大きい苗木も小さい苗木も、一斉に日の光に照らされて葉っぱをつやつや茂らせています。逞しいです。

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やがて、協働してくださる進和学園の皆さんが到着しました。今回の苗木と藁を植樹場所に運び入れ開始です。

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代表的な樹種を紹介するカードと苗木も設置して、準備が整いました。

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11時過ぎにゲストさんをお迎えして、開会式が始まりました。

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長崎隊長の挨拶です。思い出と感謝と決意の言葉が清々しいです。隊長はこの11月に故郷沖縄に移住します。この「点睛の植樹祭」が、門出のお祝いとなりました。

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今回植えるのは25種の苗木、350本です。3年前にメンバーが拾ってドングリから育てた苗が64本入っています!里親のどんぐりハウス(進和学園)さんが取り分けて持ってきてくださいました。苗木の中に、私たちがともに過ごした3年の時間が流れているかのようです。

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隊長とHさんが植え方説明をします。ベテランの助っ人AさんUさんOさんたちも脇を固めてくださいます。

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「植樹のしかた」はこちらをごらんください。

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Hさん力作のパンフレットです。

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素敵なポスターはこちら。

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そして、タブノキ、スダジイ、シラカシの名前を3回唱和。このタブノキは一昨年の「くくのち秋祭り」で里子に出したドングリを、ゲストのKさんとHさんが立派に育て、この日に合わせ持ってきてくださったのです。嬉しい再会です。

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声をはりあげて、みんなで苗木の名前を呼ぶのは楽しいものです。苗木に成り代わって名乗っているようにも、苗木に向かって呼びかけているようにも感じます。

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古代では「呼ばふ」は求婚の意味がありましたし、名を告げるのは心を許すことを意味しました。そう考えるとちょっとときめきます。どちらにしても、私たちは苗木を好きだー!好きになってほしいー!という気持ちを声に載せているのですね。ドキドキ。

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さて、いよいよ植樹本番です。みなさん思い思いの場所に移動します。

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土を掘り起こして、苗のポットをそっとはずし、根が呼吸しやすいように深植えを避け、苗を持ち上げながら土をほっこらかぶせます。

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次に違う種類の苗を選び、移植ゴテ2本分離して植えます。きれいに並べずバラバラに植えていくのがコツです。

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次第に熱中します。きつい斜面で足元を気遣いながら植えます。

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真剣な面持ちで、まだまだどんどん植えていきます。

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次第に慣れてきて、みんな楽しそうです。空いている場所を見つけてむらなく植えていきます。

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植え終わりました。ひとまずほっとして笑顔です。

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次は藁の登場です。優しく苗の根元を庇い、土が飛ばないように乾かないように地面を覆っていきます。

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稲藁束をリレーします。人海戦術です。びっしり敷き詰めました。

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最後に、藁がずり落ちたり流れたりしないように縄を張り巡らし押さえていきます。

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斜面の上と下で声を掛け合ってひっぱり、タイミングよく竹杭にくくりつけます。気持ちのいい共同作業です。

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斜面の真ん中で石を積み上げているのは「石花ちとく」さんです。

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今回の植樹地に設けた夏至ライン(夏至に太陽が沈む方向に樹木に沿って作った道)の中央にて、ライブパフォーマンス「ロックバランシング」で花を添えてくださいます。

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斜面を掘り返したときに出てきた、土地のパワーを持つ石が主役です。不安定に思われた石の力をちとくさんがくっきりと際立たせ、秋の空気の中で、絶妙なパワーバランスが立ち上がりました。

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さて、植樹地はうまく焼けたケーキみたいに立派にできあがりました!みなさまお疲れ様でした。小さなモリの赤ちゃん誕生です!

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隊長が宮古島の泡盛ニコニコ太郎をお神酒にしてかけます。葉っぱを型どった御幣で苗木の生育祈願。

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土地のパワー石のシンボルは豊穣の女神、土偶のような佇まいです。

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モリの専属カメラマンTさんがフレーミング、皆で揃って記念撮影です。くくのち~い!

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時間が押してきました。道具を片付けるのもそこそこに、東学グリーンホール(学食)の直会(なおらい)会場へ向かいます。

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豪華なお昼ご飯です。隊長の乾杯の音頭。しばし飲食歓談。

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東学さんはもともと美味しいので評判ですが、労働の後の食事は格別美味です。おなか一杯になりました。直会担当はNさん、ご馳走さまでした!

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ここで、苗木の寄付から植樹その他の指導など、当初からずっとお世話になった進和学園さんに感謝をこめて、KさんとIさんがお礼の品をお渡しします。

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メンバーのSさんのご挨拶。今までの経緯も写真で分かるように壁に飾りつけてくれました。

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芸術人類学研究所でいつも大変お世話になっている、助手Aさんのご挨拶を頂きました。

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出縄社長(研進)に〆のご挨拶をお願いしました。モリグループの新しい萌芽を予感させるようなお言葉を頂きました。

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隊長のお礼と一本〆で閉会です。今までにも増して中身のぎっしり詰まった、楽しい植樹祭になりました。ご参加ご協力くださったみなさま 本当にありがとうございました。

(そしてメンバーと準メンバー助っ人さんたちは、この後片付けをして、夜の部壮行会へと繰り出しました。なんともみっちり充実した一日でした。)

*多摩美モリ作り植樹は、第6回をもちましておかげさまで一区切りになりました。
今までいろんな場面で、ご協力ご参加いただいたみなさまありがとうございました。
3年前から、メンバーたちはそれぞれの日常を少し踏み出して、「ドングリから苗木を育て植える」を中心に置き、相談したり働いたり学んだりしてきました。今、グランド横の植樹地は苗木たちを受け入れて、日々新しい自然へと変化しつつあります。私たち自身も何かしらの変容を体験しているようにも感じます。これからモリと共に何が成長していくかをできる限り見つめたいと考えています。

なお、来夏からも3年間毎年、必須の育樹(草抜き)を継続いたします。ご参加大歓迎です。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

*今回は集大成として、様々な視点からモリをイメージしていただけるように、一連の活動から得たメンバーたちの感想や気づきも後日アップする予定です。お読みいただければ幸いです。