くくのち通信:

くくのち通信 10月 2009

ノグソフィア -糞とエコロジー (2) レポート

posted on 2009/10/13

3回連続講座のノグソフィア、2回目の講座です。前回の講座レポートはこちら
今回がはじめての参加者の方も多いため、前回のおさらいから。
自分たちだけが栄えればいいという人間の身勝手さに反発した講師の伊沢正名さんは、食物連鎖の中で重要なはたらきを示すキノコの分解過程に注目。キノコ写真家として活躍しましたが、キノコの食についてばかり注目されることに嫌気がさし、次はもう一つの分解過程、ウンコに興味の対象を移しました。
前回のキノコの写真をいくつか見たあとに、いよいよ今回の本題、「ウンコがいかにして土に還るか」。実際に伊沢さん自身がノグソを掘り返して観察し、分解経過をたどります。

091003_1

ノグソをするための3点セット(スコップ、蚊取り線香、水)やノグソをする際の留意点などの説明から入り、お話はどんどんディープな方向へ。
全体像や断面写真のスライドを見ながら、形状やにおいの変化、ノグソの周りの昆虫や獣類の行動などが説明されます。
最初はバクテリアの分解過程で粘液・泥状になり、においもきついのですが、だんだん固くなってチーズ状になり、においも香辛料などのむしろいいにおいともいえるものに変化、最後には無臭の糞土になります。
ここで目、鼻、指だけではなく、舌も使って調査に乗り出した伊沢さんは、糞土をなめてみることに。
周りの土は金属っぽい、無機質な味がしてまずいのに対して、糞土はなんとおいしかったとか!コクがあって舌でとろけるような感触があり、いかにも植物にもよさそうな感じです。実際、糞土のところには植物がよく根を張るのだとか。

091003_2

他にもよいウンコと悪いウンコの話し(よいウンコは動物が掘り返して食べてしまうこともあるのに、下痢など悪いウンコは見向きもされない)や、夏場と冬場の分解過程の違い、いいにおいとくさいにおいの境界についてなどなど。
刺激的な写真とお話の数々に、女性が多かった今回の参加者の方々も興味津々。スライドの目の前の参加者の方は、伊沢さんのノグソが目の前に映されるので若干気の毒な感じもしましたが、楽しんでいた様子でした。

富山県南砺市の精神文化 レポート

posted on 2009/10/08

前回の「富山県南砺市の食べものと文化【五箇山編】」につづき、くくのち地域講座シリーズ2回目は再び富山県南砺市について。今回は、この地域に伝わる「土徳」の思想や浄土真宗とのつながり、そこに発生する地域のコミュニティについてなど、特に精神文化について掘り下げます。講座詳細はこちら

くくのち学舎は、日本の地域のこれまでとこれから、というテーマに大きな関心を持っています。
地域にはまだまだ、「これからの日本にほんとうに必要なもの」が埋もれていて、しかもそれはこの数十年の間に「用済みです」とばかりに脇に置かれていたりするからです。
くくのち学舎は、地域の人たちの力を借りてそれらを一緒に掘り起こし、磨き上げ、再び新たな力となることを目指しています。
そんな思いを胸に、ひょんなことから縁を頂いた富山県南砺市の皆さんと一緒に行っているこの講座、2回目は、富山県南砺市からお寺の住職さんである太田浩史さんをお迎えし、ジャーナリストの千秋健さんにファシリテータをして頂き、進行しました。

090905_7

2時間を超える講座の中、太田住職は、とても平易な言葉で、とてつもなく深い射程をもった思想と南砺の実践について語ってくださいました。
南砺に疎開した棟方志功が、まるで温泉に湯治に行った人がパワーアップして還ってくるように、飛躍的にいい絵を生み出すようになったのはどうしてなのか?
民芸運動の創始者である柳宗悦がこの疑問の答えとして見出し、概念として取り出した「土徳」。南砺の「土地の徳」を育ててきた浄土真宗の「他力」という考え方。それは「幸せとは感謝することである」という極めてシンプルで力強い思想。頻繁に行われていた「小寄」と呼ばれる会合。「小寄」とは、20人以下のグループに分かれた住民たちの会合で、集まった仲間の内でとことん話し合い、「隠しごと無し」の関係を作る場として機能し、脈々と受け継がれていたこと。。

090905_8

最後に太田住職から「こんな南砺市に、ここにいるみなさんで来ませんか?」
と提案をいただき、「これはいかなくては!」と思う夏の暮れでした。

くくのち通信 アーカイブ

カテゴリ
月別アーカイブ